2/13(月)14(火)「ジカギキvol.2 in 赤城乳業」

2/13(月)14(火)で、学びの体験ツアー「ジカギキvol.2 in 赤城乳業」を開催しました!
第2回目のジカギキは、国民的アイス「ガリガリ君」を生み出した「赤城乳業」!赤城乳業は「遊び心」を大切にし、規模は小さくても強い会社「強小カンパニー」を目指しています。深谷市にある工場を見学し、現在もご活躍されている社員2名(開発マーケティング部、人材開発部)の講話も聴くことができました!!

※ダイジェスト映像

ジカギキとは?

学ぶ意欲の高い若旦那衆の皆さまと共に、渋沢栄一翁の精神を体現する企業への見学ツアーのこと。
学びの体験ツアーを直接、現場で現物を体験しながら、現実を学び、語り合う中で深める機会にしたく、まさに直に聞き合い、語り合うので「ジカギキ」と命名しました!

概要

日程:2023/2/13(月)、2/14(火)
場所:赤城乳業株式会社
タイムスケジュール:
<2/13(月)>
11:30~渋沢栄一記念館(見学)
12:15~昼食(煮ぼうとう)
14:00~赤城乳業 本庄千本さくら『5S』工場(見学)
16:20~赤城乳業 本社(講話)
<2/14(火)>
10:30~『あそぼ!ガリガリ君(ふかや花園プレミアム・アウトレット内)』&『ヤサイな仲間たちファーム』(見学)
11:45~深谷テラス ヤサイな仲間たちファームレストラン(昼食)

(1)赤城乳業 本庄千本さくら『5S』工場見学

・3つのポイント
1、見せる:知っていただくこと
2、観せる:外から中を見せること
3、魅せる:働く人たちの笑顔で魅了すること

・安心、環境、従業員に優しいSDGsへの取り組み

・100種類もの多品種少量生産

・1981年以来のガリガリ君ラインナップ
女性にターゲットをおき、デザインを変え(3Dガリガリ君)、CMもチェンジ!ドンドンとリニューアルを積み重ねる!!

・その他
ガリガリ君はロングセラー商品「赤城しぐれ」と『両手が塞がると子どもが食べられない』との背景から生まれた。カキ氷が途中で崩れたり、溶けたりするクレームを改善すべく、アイスキャンディーで外側をコーティングし、その中にカキ氷を流し込み、棒を入れて固めて完成!

(2)講和

1)赤城乳業とは

・概要
創業:大正5年、町のアイス屋
社員:430名
企業メッセージ:あそびましょ
※先代メッセージ「コラボレーションして学んでこい!」

・企業理念
IceDreamアイスのドリームメーカー、アイスを通じて人々を豊かにすること

・3つの行動指針
1、圧倒的な”話題性”
2、想起しやすい”キャラクター”
3、赤城乳業特有の”遊び心”

・ターニングポイント
2006年、ガリガリ君25周年で企業メッセージ変更:「あそびましょ。」
リクルートで大変革!多くの社員が入ってくるきっかけとなる。
開発当初から大切にしてきた「遊び心」!小さくても強い会社になれるはずだから!!

・異端の精神
他社と同じやり方はNG。埋もれてしまう!
他社がやらないこと、ガリガリ君らしく楽しく「突き抜ける」「外す、期待を裏切る」!

・差別優位性
元々はドライアイスにおける物流が強かったが、「赤城しぐれ」がヒットし、商品開発を積み重ねてファンを獲得!!

・ガリガリ君の売上シェア
全体の1/4を占める!新商品をドンドン開発!!

2)マーケティング戦略

・開発秘話
赤城しぐれで片手で食べられるかき氷の開発がきっかけとなり、今の会長が「”君”をつけろ」ということで「ガリガリ君」が誕生!!

・今後の課題
電力と原材料の高騰で値上げが必要不可欠な状態となる可能性が高い。検討しながら、前に推進していきたい!

2016年、値上げ謝罪広告
※TVCM「ガリガリ君値上げ編」 – YouTube 

値上げを話題にCMで発信、一気に全国区へ!ジョブチューンやNHK、週刊プレイボーイなど様々なメディアで取り上げられCMが広告賞を14冠総なめ!認知度拡大&お客様の納得感&応援を導く!

・マーケティング戦略
2006年、冬場の売上アップを目指す!口コミをおこして市場を活性化。年始の縁起物で、ガリガリ君リッチが誕生
12月に新宿でサンプリングすると4000もの人が並ぶ!
→冬場に売上2.5倍。

2007年、「あらゆる小ネタを生活シーンに散らせ」休日イベントを展開!浦和ダービーでガリガリ君を6万本提供。ガリガリ君のプロモーションを通して、アイス売り場への注目度を高める。全てはアイス売り場のために!

2010年、多額を投じて工場を新設!「60万枚のうちわ」を展開し、交通安全教室との連携やTwitterでガリガリ君天気予報などを行なった結果、ガリガリ君は急成長!
→品薄が続出し、一人歩きした品薄情報が出るほどの反響!!

2012年、「ストーリー」ゲームとのコラボレーション!ガリガリ君の梨味の売上が2年間で約5倍に!

2016年、60円→70円へ値上げ
様々な小ネタや話題性でストーリーを作り、ファンを獲得!

<コーンポタージュ味 開発秘話>

「夏のガリガリ君開発は攻めていない、守っているよね!何か新しいことをやってほしい!!」と、ある納品先企業から言われたことがきっかけとなる。そこで、「ショコラショコラプレミアム」「リッチ!コーンポタージュ」の2種類を開発!PRに7万円かけて、5億5千万円の広告効果を得て、3日で販売休止となる!再発売は2013年春。週刊誌でもアイス業界初のスクープ記事として取り上げられる!

・チャレンジを推奨する企業風土(仕組み)
外側:失敗をPRに活用
→チャレンジする姿勢、正直な企業体質
内側:独自の評価制度
成果が出たチームやチャレンジしたチームを評価する褒賞制度がある。工場でも評価される制度にしている。

2016年、中国や北米へチャレンジしていた経緯の中で、海外(タイ・バンコク)に進出しAIAP設立
2023年、春にはベトナムに進出予定

・広告戦略
Web2.0に早く取り組んだことが大きい!話題作りは共創の考え方で、ネットだけではなくリアルでの企画を軸に展開。正直に伝えて何でも話せる関係をお客様と作っていることが大きなポイント。ガリガリ君はオールインワンで自社完結でのマーケティング。2006年でガリガリ君プロダクションで広告を展開。

・企業風土
言った人が実施する雰囲気

・新商品開発の秘訣
組織として商品開発。商品開発とマーケティングとセットの部門を2020年に新設。開発に没頭するチームが外の知見を入れて展開。日本市場は少子高齢化であり、リピート率が大事!「次も買いたくなる味」がキーワードで推進

3)人財育成

・2010年春、赤城社会大学
社内大学、教育制度をスタート!学習する組織を通して「強小カンパニー」を推進。構成は各種研修、通信教育、インストラクター制度

①各種研修は自由参加
委員会(SEC)で運営し、教育スケジュールを構築。
内定者研修:入社意欲、心構えの形成
新入社員研修:入社までのフォローアップまでケア
感性教育:感動を共有することによる連帯感の形成、ミュージカル「ライオンキング」を全員で見にいくなどの感受性育成。
海外研修:海外視察
SMBCビジネスセミナー:年間400本
品質保証セミナー:年2回、春と秋に取引先メーカーを迎えて、品質の向上および再確認セミナーを開催。外部講師による講演もある

※研修スケジュールの確保方法
本部メンバーは就業時間内で実施。工場の方々はラインでの生産体制に影響ないタイミングを3ヶ月前から実施。

②通信教育
受講率は現在100%
2010年、30%
2011年、100%(280名)
2022年、100%(320名)
必須コース:全額補助
自己啓発コース:優秀修了は全額補助、修了は半額補助
スタート時の苦労として役員全員が受講し、結果を全て全社員へ開示。数年前から開示は一切せずに実施100%を継続。
※ 通信教育は自己啓発であり、自己学習として業務時間外で実施

通信教育とは「お金の基本講座」「工場の生産士」「SDGs」「FSSC」「日経ビジネス一年間分」「ペン字検定」等々。10月と5月に年2回開催予定。

③インストラクター制度
赤城社会大学について、トレーサビリティシステムの今後、科目別予算管理のポイント、ガリガリ君のマーケティング戦略、確定拠出年金型・退職年金制度の全体像などの16ネタを実施。毎年新たなコンテンツを発掘する仕組みづくり

・2023年スローガン
みんなの成長は会社の成長 ともに進もう!Next Stageへ

・2023年からの変革
人財マネジメント本部人財開発部を2022年新設。4名で発足し、春からの採用と人事評価を運用

・ミッション「赤城社会大学をフルモデルチェンジ」
背景:研修することが目的になっていたことが原因。
3〜5年後にどういう人財になってもらいたいか、という未来から逆算に変更

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・2023年ガリガリ君アカデミー
テーマ「未来を創造する」
<基本構成>5つの柱
義務教育:入社3年目までの各種研修
必須講座:マネージャー研修、新任管理職
選抜講座:経営者になったり、外の世界を知ったり、色々の部署を知る
自由講座:基本知識
各本部研修:M研、勉強会、工場
※その他、新たな社員コミュニティを生み出す仕組みを構築予定

・海外人財
技能実習生を導入して30年。現在は技能実習生30名、特定技能生7名ですべてインドネシアから招いている

・一人ひとりの優しさ
人事制度ではなく、企業風土。役員と社員との距離が非常に近い。会長室があるが常に会長も社員の側で作業されている!「言える化」という独自文化がある!

・社員の変化
2010年が大きなターニングポイント。工場を見える化したことが大きく、認知度がアップ!採用においても、この時期に一気にアップした!!

・インストラクター制度における評価制度・褒賞
評価や褒賞は一切なし!3〜4年継続し、後任を育てて承継していく。

・採用
独自な質問や取組は特にないが、「一発撮影の1分動画」は提出してもらっている

・社内行事
社員旅行:コロナ前は毎年11月に実施。部署毎に行く時もあれば全社で行く時もあった。
ハワイ研修:入社3〜4年目の社員を対象に実施。
花見会:桜を見る会
工場見学会:社員の家族を招く

4)今後のビジョン(未来へ)

アイス部門以外で新たな挑戦を実施。今の時代は1000個挑戦し,2個生まれるレベル!
→年1回以上はスモールチャレンジを実施していきたい!公募でメンバー募集し、チャレンジにあてる時間を週で10%の時間確保するため、評価制度に入れて発足。外部の力も融合しながら実施!

・地域貢献
2009年、地域貢献を実施。ガリガリ君温泉。箱根ユネッサン
2011年、地方都市でのイベント展開パルコ
2014年、地域活性化、埼玉県秩父市ガリガリ君SL
2017年、東北温泉地、熊本県とのコラボ企画
2019年、映画「翔んで埼玉」との連携
2022年、アウトレットでのアミューズメントパーク「あそぼ!ガリガリ君」

・商品開発
大きく変化している。2000年代では食習慣から固いものを食べられなくて、氷を小さく変化させたり、健康志向から添加物の安定剤を天然物に変更したり、変革の積み重ねを行う。担当するブランドの食べてもらえるシーンを想定して考えている。移動時間、非日常体験でアイデアが湧くからこそ、そういう習慣をつくっていきたい!

渋沢栄一翁の名言

信用はのれんや見た目から
得られるものではなく、
確固たる信念から生まれる

  • 人は全て自主独立すべきものである。
    自立の精神は人への思いやりと
    共に人生の根本を成すものである。
  • 全て形式に流れると精神が乏しくなる。
    何でも日々新たにという心がけが大事である。
  • 一人ひとりに天の使命があり、
    その天命を楽しんで生きることが、
    処世上の第一要件である。
  • 事業には信用が第一である。
    世間の信用を得るには、世間を信用することだ。
    個人も同じである。自分が相手を疑いながら、
    自分を信用せよとは虫のいい話だ。
  • たとえその事業が微々たるものであろうと、
    自分の利益は少額であろうと、
    国家必要の事業を合理的に経営すれば、
    心は常に楽しんで仕事にあたることができる。
  • 金儲けを品の悪いことのように考えるのは、
    根本的に間違っている。
    しかし儲けることに熱中しすぎると、
    品が悪くなるのもたしかである。
    金儲けにも品位を忘れぬようにしたい。
  • 死ぬときに残す教訓が大事なのではなく、
    生きている時の行動が大事なのだ。
  • 信用はのれんや見た目から
    得られるものではなく、
    確固たる信念から生まれる。
  • 真似をするときには、その形ではなく、
    その心を真似するのがよい。
  • 数字算出の確固たる見通しと、
    裏づけのない事業は必ず失敗する。
  • 反対者には反対者の論理がある。
    それを聞かないうちに、いきなりけしからん奴だと
    怒ってもはじまらない。
    問題の本質的な解決には結びつかない。
  • 世の人が元気をなくしており、
    社会の発展が停滞している。
    いままでの仕事を守って間違いなくするよりも、
    さらに大きな計画をして発展させ、
    世界と競争するのがよいのだ。
  • もうこれで満足だという時は、
    すなわち衰える時である。
  • 商売をする上で重要なのは、
    競争しながらでも道徳を守るということだ。
  • 一家一人の為に発する怒りは小なる怒りにて、
    一国の為に発する怒りは大いなる怒りである。
    大いなる怒りは、国家社会の進歩発展を促す。
  • 自分が信じないことは言わず、
    知ったからには必ず行うという思いが強くなれば、
    自然に言葉は少なく、行動は素早くなる。